花とみどりのコラム

『小さい秋、見つけた』秋の花あしらいの楽しみ方

『小さい秋、見つけた』秋の花あしらいの楽しみ方

秋の花ならではの5つの特徴と、秋だからこそ楽しめる飾り方のアイデア


夏の暑さが和らぎ、フラワーショップには秋の花が並ぶようになりました。
夏の間、ちょっとお休みしていた花を飾りたくなってきましたね。
秋の花は、こっくりとした深みのある色合いや、実もの・穂ものを取り入れた豊かな質感が魅力です。

店頭に並ぶ顔ぶれが変わるこの時期は、いつもとは違う花選びを楽しめる絶好のタイミングでもあります。

このコラムでは、この季節にぜひお部屋に迎えたいおすすめの秋の花の特徴から、秋だからこそ楽しめる飾り方のアイデア、季節の花図鑑、そしてギフトのシーン別おすすめまで、大阪の花屋hannaが丁寧にご案内します。

 


1. 秋の花が特別な理由

秋の花には、春や夏の鮮やかさとは異なる、落ち着き、深み、そして独特の質感という大きな特徴があります。
また、お月見やお彼岸など、昔ながらの日本の風情を楽しむ季節でもあります。

夏の間はビタミンカラーの元気な花に目が向きがちですが、暑さが和らぐこの時期になると、不思議と渋みのある色合いや、実ものの持つ独特の存在感に惹かれるようになる方も多いのではないでしょうか。
季節の移ろいとともに、好みの花色まで変化していくのも面白いものです。

🍂 日が沈むのが少しずつ早くなり、おうちで過ごす時間が愛おしくなる秋。ほんの1輪の秋の花がお部屋にあるだけで、いつもの空間がぐっと温もりを帯び、心地よい秋の風を運んできてくれます。

2. 秋の七草|見て美しさを楽しむ7つの花

正月明けに食す「春の七草」とは違い、「秋の七草」は見て美しさを楽しむものとされています。
それぞれの花には、昔の人々の暮らしや美意識が映し出された、味わい深い由来があります。
花屋の店先で名前と由来を知ってから選ぶと、いつもの一輪がぐっと特別なものに感じられます。

 

花の名前 由来・エピソード
オミナエシ その高貴な美しさが「美しい女性(佳人)」を圧倒するという意味がある
ススキ 古くから、その鋭いススキの茎葉は「魔除け」になると信じられてきた
キキョウ 武士の家紋(明智光秀など)にも多く使われた、気品あるお花
ナデシコ 我が子のように「撫でてしまいたくなるほど愛らしい」が語源。「大和撫子」の由来でもあり、清楚な日本女性の象徴
フジバカマ 花びらの形が公家が着る「袴(はかま)」に似ていることから命名され、昔は衣服の香料にも使われていた
クズ 根から取れるお粉が「葛粉(くずこ)」になり、葛餅や葛根湯の原料になる
ハギ 秋のお彼岸に食べるものは、この萩の花にちなんで「おはぎ」と呼ばれる

🌿 小ネタ|秋の七草は「見て楽しむ」草花

七草がゆでおなじみの「春の七草」は無病息災を願って食べるものですが、「秋の七草」は食べるためのものではなく、野に咲く姿を眺めて楽しむために選ばれたと言われています。万葉集の歌人・山上憶良が詠んだ和歌がその起源とされ、古くから日本人の美意識を映す存在として親しまれてきました。


3. 秋の花ならではの5つの特徴

秋の花には、他の季節にはない魅力が詰まっています。5つのポイントに分けてご紹介します。

 

① 風情のある和名を持つものが多い

古くから日本で愛され、それぞれに美しい和名(日本の名前)がついています。コスモスは「秋桜」、キキョウは「桔梗」、ナデシコは「撫子」、オミナエシは「女郎花」、フジバカマは「藤袴」、ワレモコウは「吾亦紅」、リンドウは「竜胆」、キンモクセイは「金木犀」、ホトトギスは「杜鵑草」と、名前を知るだけでも味わいが深まります。花屋で名前を尋ねてみると、そこから会話が広がることもあります。

② 深みと温かみのある「こっくりとしたカラー」

春は優しいパステルカラー、夏は活力を感じる原色とは違い、落ち着いたトーンの色合いが揃います。ワインレッドやボルドー、チョコレートブラウン、テラコッタ、マスタードイエローなどの「アースカラー」、くすんだピンクやアンティーク調の紫など、インテリアに馴染みやすい「ニュアンスカラー」が豊富です。色の組み合わせひとつで、和にも洋にも寄せられる懐の深さも魅力です。

③ 視覚と触覚で楽しむ「豊かな質感」

花びらだけでなく、葉や茎、穂などに独特の質感(テクスチャー)があるものが多く、飾り方が豊富にあります。ケイトウのような起毛したような質感、ワレモコウやセンニチコウのようにドライフラワーにしても変化の少ないカサカサとした質感、プロテアやバンクシアなど南半球原産のしっかりとした茎を持つワイルドフラワーなど、表情はさまざまです。手に取ったときの感触の違いも、秋の花あしらいならではの楽しみです。

④ 実もの・穂ものの充実

「実りの秋」というように、お花以外の「実」や「穂」、色づいた紅葉の枝が豊富に出回ります。代表的なものとして、バラの実、野いばらの実、シンフォリカルポス、花ナスなどがあげられます。花だけでは出せない、季節感たっぷりの表情を添えてくれる存在です。

⑤ 暑さが和らぎ、花の持ちが良くなる

飾る側にとって最大のメリットが、花持ちの良さです。気温が下がることで、夏場に比べてお水が傷みにくくなり、花そのものの開花スピードもゆっくりになるため、長く、じっくりと楽しむことができます。せっかく選んだ花を長く愛でられるのは、贈る側・贈られる側どちらにとっても嬉しいポイントです。


4. 秋だからこそできる、花の楽しみ方

花持ちの良い秋だからこそ試したい、楽しみ方をご紹介します。

 

🍂 ドライフラワーへの移行を楽しむ

秋の花は枝ものを含めてドライフラワーになるものが多くあります。はじめは生花として水に生けて楽しみ、その後そのままドライフラワーにしたり、逆さに吊るしてドライフラワーとして楽しむことができます。生花のまま、スワッグ(壁掛け)やリースを作成してそのままドライフラワーにすることもできます。色あせない渋い風合いが、秋冬のインテリアに長く寄り添ってくれます。生花からドライへの変化そのものを、季節の移り変わりとして楽しんでみるのもおすすめです。

🌾 ススキやパンパスグラスと合わせる

日本の秋の風物詩であるススキや、洋風のパンパスグラスといった「穂もの」とミックスするのが最近のトレンドです。ワイルドフラワーの力強さに、穂の柔らかさが加わることで、絶妙な「大人っぽい抜け感」が生まれます。花瓶に立てるだけでなく、束ねて壁に吊るすスワッグにしても、素朴な雰囲気を楽しめます。

🍇 「実もの」花材を使う

「実りの秋」ということもあり、秋は実がついた枝ものや花が多く出まわります。鈴バラや野いばら、花ナス系などユニークな形のものもありますので、独特の楽しみ方ができそうです。花だけのアレンジに実ものを一枝加えるだけで、ぐっと季節感が引き立ちます。

🏺 小ネタ|秋は「花器を替える」だけでも十分

新しい花を買わなくても、今お使いの花瓶をマットな質感のものやアンバー系のガラスに替えるだけで、部屋の印象はがらりと変わります。夏に使っていたクリアなガラス花器を秋冬までしまっておき、季節ごとに使い分けるのもひとつの楽しみ方です。


5. 秋の花器選びのアイデア

夏は真っ白や鮮やかな色の花器、ガラス素材など涼し気なものが合わせやすかったですが、秋は少し変えて演出するのもいいでしょう。器を替えるだけの小さな模様替えでも、季節感はぐっと引き立ちます。

 

花器のタイプ 演出できる雰囲気
マットな陶器・テラコッタ 秋の温かみを感じられ、ダリアやケイトウ等のボリューム感のある花を少量飾るだけでおしゃれな空間に
アンバーやスモーキーブラウンのガラス花器 こっくりした色合いの秋の花との相性が良く、夏との変化を楽しめる
籐かご 小さな花器を中に入れて花を飾ったり、ドライフラワーを入れたりすることで秋らしい雰囲気に

6. 秋の花図鑑

秋の七草以外にも、この季節ならではの魅力を持つ花や実ものをご紹介します。色や質感の異なるものを少しずつ組み合わせると、秋らしい奥行きのあるアレンジになります。

 

🌼 ダリア

幾重にも花びらが重なるボリューム感が魅力。ワインレッドやボルドーなど、秋らしい深みのある色合いが豊富に揃います。

🌺 ケイトウ

ベルベットのような起毛した質感がユニークな花。トサカのような形が個性的で、アレンジのアクセントになります。

🌸 コスモス(秋桜)

風にそよぐ軽やかな花姿が、秋の訪れを感じさせてくれます。優しい色合いで、どんな場所にも馴染みやすい花です。

🍇 バラの実・野いばらの実

秋になると花のあとに実る、愛らしい丸い実。ナチュラルな雰囲気を演出でき、実ものならではの季節感を楽しめます。

🌾 ワレモコウ(吾亦紅)

小さな赤茶色の花がカサカサとした質感を持ち、ドライフラワーにしても風合いがほとんど変わらないのが魅力です。花束に一本添えるだけで、渋みのある秋らしさがぐっと引き立ちます。

🎐 リンドウ(竜胆)

青紫の凛とした花姿が美しい秋の代表花。上に向かって咲く花姿が特徴的で、お月見の飾りやお彼岸のお供えなど、季節の行事にもよく用いられます。

🌼 キンモクセイ(金木犀)

小さなオレンジ色の花が甘い香りを放つ、秋を代表する花木です。切花として飾るだけでなく、香りそのものが季節の訪れを教えてくれる存在です。

🐦 ホトトギス(杜鵑草)

花びらに散りばめられた斑点模様が、鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから名付けられた、和の風情漂う花です。半日陰でも育つ丈夫さがあり、茶花としても古くから親しまれてきました。控えめな佇まいながら、アレンジの中に入れるだけで奥ゆかしい秋らしさをプラスしてくれます。


7. 秋の花ギフト、シーン別おすすめ


こっくりとした色合いと豊かな質感を持つ秋の花は、贈り物にも季節感をプラスしてくれます。花束を受け取る瞬間から、季節の変わり目を感じてもらえるのも贈り物ならではの魅力です。シーン別におすすめの選び方をご紹介します。

 

🏠 新しい季節のインテリアに

アースカラーの花をアンバーのガラス花器やテラコッタの鉢に合わせれば、模様替え感覚で秋の雰囲気をお部屋に取り入れられます。玄関やダイニングなど、目につきやすい場所に飾ると効果的です。

🎁 長く楽しんでほしい方への贈り物に

花持ちが良く、ドライフラワーにも移行できる秋の花は、贈った後も長く楽しんでもらえるギフトです。忙しい方や遠方の方への贈り物にもおすすめです。

🍁 季節の挨拶・お礼の気持ちに

ススキやワレモコウなど、秋らしい穂ものを添えた花束は、季節の挨拶やちょっとしたお礼にぴったり。さりげなく季節感を届けられます。

🕯️ お月見やお彼岸など、季節行事のお供えに

リンドウやキキョウなど、秋の七草にも数えられる花は、お月見の飾りやお彼岸のお供えにもふさわしい花です。昔ながらの風習と一緒に楽しんでみましょう。


8. 秋の花に関するQ&A

 

Q. 秋の花は本当に他の季節より長持ちしますか?

A. はい、気温が下がることで水が傷みにくくなり、開花のスピードもゆっくりになるため、夏場に比べて花持ちが良くなる傾向があります。とはいえ、水替えなど基本のお手入れは変わらず大切です。日々の少しの手間が、花持ちの良さをさらに引き出してくれます。

 

Q. 生花からドライフラワーへの移行は、いつ頃始めればいいですか?

A. 花が完全に枯れてしまう前、色が一番美しい時期に水から引き揚げ、風通しの良い日陰に逆さに吊るすのがおすすめです。生花としてある程度楽しんだあとに切り替えると、無駄なく長く楽しめます。

 

Q. 実ものや穂ものは、花と組み合わせなくても飾れますか?

A. もちろんです。ワレモコウやバラの実、ススキなどは、それだけを1〜2本シンプルな花器に挿すだけでも十分に秋らしい雰囲気を演出できます。

 

Q. 秋の花にはどんな花器が合いますか?

A. マットな質感の陶器やテラコッタ、アンバーやスモーキーブラウンのガラス花器、籐かごなどが好相性です。夏の涼し気な花器から替えるだけで、季節の変化を楽しめます。

 

Q. 花初心者でも秋らしいアレンジは作れますか?

A. はい。難しいテクニックがなくても、ススキやワレモコウなど穂ものを1〜2本、シンプルな花器に挿すだけで十分に季節感が出ます。慣れてきたら、実ものやダリアなどボリュームのある花を少しずつ足してみるのがおすすめです。

 

Q. 実ものはどのくらい日持ちしますか?

A. 花に比べて日持ちが良いものが多く、なかにはそのまま乾燥させてドライフラワーとして長く楽しめるものもあります。水に生ける場合は、他の切花と同様に水替えをこまめに行うと、より長く美しい状態を保てます。

 

Q. 秋の花はいつ頃から店頭に並び始めますか?

A. 地域や気候にもよりますが、9月に入ると徐々に秋らしい花材が増え始め、10月頃には本格的に秋の花が出そろいます。残暑が続く年でも、店頭に並ぶ花材の顔ぶれからは一足先に季節の変化を感じ取ることができ、季節の先取りを楽しみたい方にもおすすめです。


9. まとめ——小さな秋を、お部屋に迎えて


日が沈むのが少しずつ早くなり、おうちで過ごす時間が愛おしくなる秋。ほんの1輪の秋の花がお部屋にあるだけで、いつもの空間がぐっと温もりを帯び、心地よい秋の風を運んできてくれます。

長く美しく咲き続けてくれるこの最高の季節に、あなただけのお気に入りの「秋」をお部屋に迎えてみませんか。花選びに迷ったときは、まず気になる一輪を手に取ってみることから始めてみてください。

 

大阪の花屋hannaでは、こっくりとした色合いの秋の花や、実もの・穂ものを使ったアレンジメントを豊富にご用意しています。実店舗では季節に合わせた花を直接ご覧いただけるほか、オンラインショップでは全国配送に対応、メッセージカードの無料添付も可能ですので、大切な方への贈り物にも、ご自宅用のインテリアにも、お気軽にご利用ください。

 


このコラムについて

大阪市内に実店舗を持つフラワー&グリーンショップ「hanna(ハンナ)」が、長年の植物販売の経験をもとに情報を発信中! あべのハルカス近鉄本店・近鉄百貨店上本町店・リノアス八尾店・アプラたかいし店にて実際に花を扱うプロのスタッフたちがお届けしています。

hanna(ハンナ)は大阪の花屋として、フラワーギフトを中心に多様な花・植物を取り扱っています。オンラインショップでは全国配送に対応しており、大切な方へのギフト発送も承っています。


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